君の名を呼んで 2
***
病院から家に戻って、桜里はワンピースを試着した私をさんざん綺麗可愛いと褒めちぎり、ついに仕事だと秘書に連れ戻された。
穏やかだけど強烈な嵐が去って、私は一日ぶりなのに懐かしい我が家を見回す。
なんだか色々あり過ぎて、ここで普通に暮らしていたのが、遠い昔のことみたい。
と、皇がワンピースを着たままの私を眺めて、溜息。その様子に私は問う。
「え、似合わない?」
「似合う。あいつが言った通り、お前の為に作ったんだろ」
皇の視線はじっと私を見ていて、その言葉が嘘ではないと分かった。
お、意外。素直に褒められると、こっちが照れてしまう。
なんて油断したなら。
「だけどいつまでも、他の男から贈られた服なんて着てんじゃねぇよ」
彼は私を引き寄せて抱き締めると、背中のファスナーを引き下ろした。
その早業に慌てながら、私は皇に抗議する。
「父親ですよ、何無茶言ってるんですかっ。子供の頃なんて、ほぼ全て桜里に服を買ってもらってますよ!」
なんか違う、絶対違う!
皇はふん、と鼻を鳴らしてから、
「あ、待てよ」
何か思いついたようにニヤリと笑って、私の服を脱がす手を止めた。
い、嫌な予感。
皇は半分空いたままのファスナーから手を這わせて、私の背中を撫でる。
「あいつに貰った服で、俺に抱かれるってのはどうだ?白鳥め、ざまあみろ」
「き、鬼畜……!変態!このサド!」
そのまま彼はワンピースの裾を捲り上げて、私の脚を抱え込んだ。
笑いながら耳元で囁く。
「そんな俺が、好きなくせに」
だめだ、こりゃ。
ーー何が駄目って、皇の言葉を否定出来ない私が、なのだけど。
病院から家に戻って、桜里はワンピースを試着した私をさんざん綺麗可愛いと褒めちぎり、ついに仕事だと秘書に連れ戻された。
穏やかだけど強烈な嵐が去って、私は一日ぶりなのに懐かしい我が家を見回す。
なんだか色々あり過ぎて、ここで普通に暮らしていたのが、遠い昔のことみたい。
と、皇がワンピースを着たままの私を眺めて、溜息。その様子に私は問う。
「え、似合わない?」
「似合う。あいつが言った通り、お前の為に作ったんだろ」
皇の視線はじっと私を見ていて、その言葉が嘘ではないと分かった。
お、意外。素直に褒められると、こっちが照れてしまう。
なんて油断したなら。
「だけどいつまでも、他の男から贈られた服なんて着てんじゃねぇよ」
彼は私を引き寄せて抱き締めると、背中のファスナーを引き下ろした。
その早業に慌てながら、私は皇に抗議する。
「父親ですよ、何無茶言ってるんですかっ。子供の頃なんて、ほぼ全て桜里に服を買ってもらってますよ!」
なんか違う、絶対違う!
皇はふん、と鼻を鳴らしてから、
「あ、待てよ」
何か思いついたようにニヤリと笑って、私の服を脱がす手を止めた。
い、嫌な予感。
皇は半分空いたままのファスナーから手を這わせて、私の背中を撫でる。
「あいつに貰った服で、俺に抱かれるってのはどうだ?白鳥め、ざまあみろ」
「き、鬼畜……!変態!このサド!」
そのまま彼はワンピースの裾を捲り上げて、私の脚を抱え込んだ。
笑いながら耳元で囁く。
「そんな俺が、好きなくせに」
だめだ、こりゃ。
ーー何が駄目って、皇の言葉を否定出来ない私が、なのだけど。