君の名を呼んで 2
私は会場を回って、片付けをチェックしていく。
ライブが終わった後の余韻に、頬が緩んで。
こういう達成感を一緒に味わえるから、マネージャーは辞められない。
ふと、壁に寄りかかる人影を見つけた。
「要……」
彼が、そこに居た。
少しだけ、躊躇いながら、それでも私は彼に近づいた。
「要、来てたの」
まだ頭に巻かれた包帯が痛々しい。
といっても私も同様に両手足と頭に包帯をしていて、それを隠すために長袖のブラウスとパンツスーツだったんだけど。
それを知っているのか、彼は私の手首に視線を落とした。
「雪姫、ごめん」
「このことなら要のせいじゃないよ。むしろ巻き込んでごめんなさい」
私が頭を下げると、要は首を振った。
「城ノ内さんに助けられたんだってな」
頷けば、彼は寂しそうに笑った。
「……もうお前のヒーローは、俺じゃないんだな」
彼を思いやる言葉も、期待に応える言葉も、何も言えなくて。
ただごめんなさい、と呟いた。
ライブが終わった後の余韻に、頬が緩んで。
こういう達成感を一緒に味わえるから、マネージャーは辞められない。
ふと、壁に寄りかかる人影を見つけた。
「要……」
彼が、そこに居た。
少しだけ、躊躇いながら、それでも私は彼に近づいた。
「要、来てたの」
まだ頭に巻かれた包帯が痛々しい。
といっても私も同様に両手足と頭に包帯をしていて、それを隠すために長袖のブラウスとパンツスーツだったんだけど。
それを知っているのか、彼は私の手首に視線を落とした。
「雪姫、ごめん」
「このことなら要のせいじゃないよ。むしろ巻き込んでごめんなさい」
私が頭を下げると、要は首を振った。
「城ノ内さんに助けられたんだってな」
頷けば、彼は寂しそうに笑った。
「……もうお前のヒーローは、俺じゃないんだな」
彼を思いやる言葉も、期待に応える言葉も、何も言えなくて。
ただごめんなさい、と呟いた。