君の名を呼んで 2
皆さん初めまして。
ブランシュネージュ・プロダクション、入社4年目の星野諒平です。
半年前から二ノ宮朔のマネージャーをしております。
ただいま、会社の面々で呑みに来ています。
メンバーは真野社長と城ノ内副社長、朔と梶原雪姫。
「へえ、雪姫と星野さんは同期なんだ」
朔が俺たちを見比べながら言う。
「そうなのよねえ。私と、星野君と、堤さん~」
もうかなりのペースで呑んでいるのか、ちょっと無防備に、にこりと笑いかけてくる梶原。
コイツにしちゃ珍しいな。今日は旦那様から『酔ってもOK』令が出てるのかな。
俺はうんうんと頷き返して。
「でも同期のなかでも梶原はぶっ飛んでるからなあ。城ノ内副社長にポンポン毒舌吐いてたかと思うと、いきなり結婚だし」
影で彼女の結婚を聞いて、何人の男共がこっそり涙したか。
まあ俺も実はその中の一人ではあったんだけど。
ちょっと遠慮気味に副社長を見れば、彼はビールを傾けてにやりと笑う。
「ぶっ飛んでる、ね。確かにな」
その姿がキマってる。
ああ、この人ってばほんっと、男の俺から見ても格好良すぎだろ。
「同期で呑みに行ったりしないの?」
朔が聞いて来たので、俺は答える。
「ああ、前はよく行ってたよな。あ、あれ知ってます?梶原の隠し芸」
「「「は??」」」
と、皆が俺を見た。
「隠し芸?」
城ノ内副社長が怪訝な顔をする。
あれ?この人も知らないのか。
「梶原が泥酔するとどうなるか、見たこと無いんですか?」
俺は皆の顔を見回すけれど、皆知らないみたいだ。
「梶原ちゃん、このメンツで集まると運転手になってくれるから、いつも呑まないんだよね。打ち上げとかでもセーブしてるみたいだし」
真野社長が苦笑して言った。
ああ、梶原そゆとこ真面目だもんな。
「家ではどうなんですか?」
朔が副社長に聞くと、彼は少し考え込んで。
「家でもほろ酔いってとこだな。大抵酔い始めると、俺が我慢できなくなって押し倒すから、泥酔させるほど呑ませる事なんて無い」
ぎゃ!なんてこと言ってるんだこの人は!!
いつもなら真っ先に真っ赤になって止めるはずの梶原が、何にも言わずにほえほえ笑ってる。
あ、これかなり酔いが回ってるな。
いけるかも。
ブランシュネージュ・プロダクション、入社4年目の星野諒平です。
半年前から二ノ宮朔のマネージャーをしております。
ただいま、会社の面々で呑みに来ています。
メンバーは真野社長と城ノ内副社長、朔と梶原雪姫。
「へえ、雪姫と星野さんは同期なんだ」
朔が俺たちを見比べながら言う。
「そうなのよねえ。私と、星野君と、堤さん~」
もうかなりのペースで呑んでいるのか、ちょっと無防備に、にこりと笑いかけてくる梶原。
コイツにしちゃ珍しいな。今日は旦那様から『酔ってもOK』令が出てるのかな。
俺はうんうんと頷き返して。
「でも同期のなかでも梶原はぶっ飛んでるからなあ。城ノ内副社長にポンポン毒舌吐いてたかと思うと、いきなり結婚だし」
影で彼女の結婚を聞いて、何人の男共がこっそり涙したか。
まあ俺も実はその中の一人ではあったんだけど。
ちょっと遠慮気味に副社長を見れば、彼はビールを傾けてにやりと笑う。
「ぶっ飛んでる、ね。確かにな」
その姿がキマってる。
ああ、この人ってばほんっと、男の俺から見ても格好良すぎだろ。
「同期で呑みに行ったりしないの?」
朔が聞いて来たので、俺は答える。
「ああ、前はよく行ってたよな。あ、あれ知ってます?梶原の隠し芸」
「「「は??」」」
と、皆が俺を見た。
「隠し芸?」
城ノ内副社長が怪訝な顔をする。
あれ?この人も知らないのか。
「梶原が泥酔するとどうなるか、見たこと無いんですか?」
俺は皆の顔を見回すけれど、皆知らないみたいだ。
「梶原ちゃん、このメンツで集まると運転手になってくれるから、いつも呑まないんだよね。打ち上げとかでもセーブしてるみたいだし」
真野社長が苦笑して言った。
ああ、梶原そゆとこ真面目だもんな。
「家ではどうなんですか?」
朔が副社長に聞くと、彼は少し考え込んで。
「家でもほろ酔いってとこだな。大抵酔い始めると、俺が我慢できなくなって押し倒すから、泥酔させるほど呑ませる事なんて無い」
ぎゃ!なんてこと言ってるんだこの人は!!
いつもなら真っ先に真っ赤になって止めるはずの梶原が、何にも言わずにほえほえ笑ってる。
あ、これかなり酔いが回ってるな。
いけるかも。