君の名を呼んで 2
ヒーロー戦隊の放映が終わってしまった後は、ひたすら彼女の出ている番組やドラマをチェックした。
小学校でも中学校でも、俺のまわりにはウザいくらい女が居たけれど。
容姿を騒がれるばかりで、ちょっと本音を言えばすぐに「優しくない」だの、「理想と違う」だの。
お前らは俺の見た目だけが好きなんじゃねぇか。そう反発しつつ。
画面の向こうの白雪姫に恋をしている自分だって、結局はそいつらと同類だ。
本当の彼女がどんな子かなんて、俺は知らないのに。
そう思って何人かと付き合ってみたけれど、やっぱり長続きはしなかった。
白雪姫だけは、変わらず憧れの存在で。
彼女はセリフこそそんなに上手くはなかったけれど、表情一つ一つが強く目を惹いて。
どの作品も、俺を釘付けにした。
けれど俺が高校生の時。
ある日突然、白雪姫はメディアから姿を消した。
その行方はわからずに、俺は完全なる失恋。
最初はそれを紛らわすために色んな女と付き合って。
次第に彼女の存在が、記憶に埋れていった。
ああ、ホントに白雪姫は、お伽話の存在だったのかもなんて思って。
その存在を、心の奥深くにしまい込んだ。
はず、だった。
皇紀を失って。
モデルからも逃げ出して。
そんな時、真野に誘われた、芸能プロの立ち上げ話。
「城ノ内、どう?一緒にやってみない?」
兄の友人である彼が、兄ではなく俺を選んでそう言ってくれたのは嬉しかったが。
「ちょっと、考えさせてくれ」
正直疲れきっていた俺は、業界からは身を引きたかった。
けれど、運命なのか。
その話を聞いた日、深夜、テレビで再放送したドラマで久しぶりに彼女を観た。
「お前、どこにいったんだよ……」
胸に残る、あの少女。
今、彼女は何をしてるんだろう。
いつか、逢える日が来るかもしれない。
そう思ったら、逃げることができなくなっていた。
小学校でも中学校でも、俺のまわりにはウザいくらい女が居たけれど。
容姿を騒がれるばかりで、ちょっと本音を言えばすぐに「優しくない」だの、「理想と違う」だの。
お前らは俺の見た目だけが好きなんじゃねぇか。そう反発しつつ。
画面の向こうの白雪姫に恋をしている自分だって、結局はそいつらと同類だ。
本当の彼女がどんな子かなんて、俺は知らないのに。
そう思って何人かと付き合ってみたけれど、やっぱり長続きはしなかった。
白雪姫だけは、変わらず憧れの存在で。
彼女はセリフこそそんなに上手くはなかったけれど、表情一つ一つが強く目を惹いて。
どの作品も、俺を釘付けにした。
けれど俺が高校生の時。
ある日突然、白雪姫はメディアから姿を消した。
その行方はわからずに、俺は完全なる失恋。
最初はそれを紛らわすために色んな女と付き合って。
次第に彼女の存在が、記憶に埋れていった。
ああ、ホントに白雪姫は、お伽話の存在だったのかもなんて思って。
その存在を、心の奥深くにしまい込んだ。
はず、だった。
皇紀を失って。
モデルからも逃げ出して。
そんな時、真野に誘われた、芸能プロの立ち上げ話。
「城ノ内、どう?一緒にやってみない?」
兄の友人である彼が、兄ではなく俺を選んでそう言ってくれたのは嬉しかったが。
「ちょっと、考えさせてくれ」
正直疲れきっていた俺は、業界からは身を引きたかった。
けれど、運命なのか。
その話を聞いた日、深夜、テレビで再放送したドラマで久しぶりに彼女を観た。
「お前、どこにいったんだよ……」
胸に残る、あの少女。
今、彼女は何をしてるんだろう。
いつか、逢える日が来るかもしれない。
そう思ったら、逃げることができなくなっていた。