君の名を呼んで 2
アカリは共演者キラーで有名。
同性と異性の前じゃ態度が全然違うのを知っているあたしからすれば、まあよくやるよって感じだけど。
そのへんはさすが女優なのか、男性からの好感度は高いらしい。
二ノ宮先輩も、あーゆーのに言い寄られたら悪い気はしないだろうな。
「すず?どうかしたの?」
あたしを覗き込むように、雪姫ちゃんが近づいて来た。
「なんだか元気無いね」
彼女にはあたしのことなんてお見通し。
でも、雪姫ちゃんの凄いところは、
「仕事のことじゃないわよね。じゃあ無理に聞かないから、話したくなったら言ってね」
見通しておきながら、ちゃんとあたしを尊重してくれるとこ。
ニッコリと、向けられた笑顔に、なんだか安心して。
「雪姫ちゃん大好きっ!」
彼女に飛びつこうとしてーー襟首を猫のように掴まれた。
「お前はまたベタベタと」
ぐ。
見ればあたしを掴んでいるのは、雪姫ちゃんの旦那様でもある、鬼畜イケメン副社長。
「俺のオンナにひっついてないで、自分の事をなんとかしろ」
痛いとこを土足で突いてくる、この人はあたしの苦手な部類だ。
でもって、あたしの雪姫ちゃんを独り占めしてる憎い男だ。ムカつく。
「こ……城ノ内副社長。すずも頑張ってるんですから、ね?」
雪姫ちゃんがフォローしてくれる。
ああ、抱きつきたい。
「らびゅー、あたしの雪姫ちゃんのふかふかお胸……」
「それも俺の」
「ズルい!ズルい!あたしも雪姫ちゃんとお風呂入りたい!一緒に寝たい!」
「それも俺だけ」
「あのねぇ、二人とも……」
その後もあたしはいつも通り、城ノ内副社長と雪姫ちゃんをめぐる闘いに明け暮れてしまって。
忘れてた。
牧アカリが言った事を。
『キスシーンもあるし』
よりによって、目撃する羽目になるなんて。
同性と異性の前じゃ態度が全然違うのを知っているあたしからすれば、まあよくやるよって感じだけど。
そのへんはさすが女優なのか、男性からの好感度は高いらしい。
二ノ宮先輩も、あーゆーのに言い寄られたら悪い気はしないだろうな。
「すず?どうかしたの?」
あたしを覗き込むように、雪姫ちゃんが近づいて来た。
「なんだか元気無いね」
彼女にはあたしのことなんてお見通し。
でも、雪姫ちゃんの凄いところは、
「仕事のことじゃないわよね。じゃあ無理に聞かないから、話したくなったら言ってね」
見通しておきながら、ちゃんとあたしを尊重してくれるとこ。
ニッコリと、向けられた笑顔に、なんだか安心して。
「雪姫ちゃん大好きっ!」
彼女に飛びつこうとしてーー襟首を猫のように掴まれた。
「お前はまたベタベタと」
ぐ。
見ればあたしを掴んでいるのは、雪姫ちゃんの旦那様でもある、鬼畜イケメン副社長。
「俺のオンナにひっついてないで、自分の事をなんとかしろ」
痛いとこを土足で突いてくる、この人はあたしの苦手な部類だ。
でもって、あたしの雪姫ちゃんを独り占めしてる憎い男だ。ムカつく。
「こ……城ノ内副社長。すずも頑張ってるんですから、ね?」
雪姫ちゃんがフォローしてくれる。
ああ、抱きつきたい。
「らびゅー、あたしの雪姫ちゃんのふかふかお胸……」
「それも俺の」
「ズルい!ズルい!あたしも雪姫ちゃんとお風呂入りたい!一緒に寝たい!」
「それも俺だけ」
「あのねぇ、二人とも……」
その後もあたしはいつも通り、城ノ内副社長と雪姫ちゃんをめぐる闘いに明け暮れてしまって。
忘れてた。
牧アカリが言った事を。
『キスシーンもあるし』
よりによって、目撃する羽目になるなんて。