君の名を呼んで 2
思わず同時に振り返った私達の前に寄って来たのは、やっぱりナナミちゃんだった。
「お疲れ様です」
彼女はきちんと私達に頭を下げて、ほのかに染まる頬で笑う。
うん、やっぱり可愛いな。
私まで思わず微笑んでしまう。
「随分遅くまでいたのね」
私の問いに、ナナミちゃんは控え目に頷いた。
「レッスン室で自主練してて……。気がついたらこんな時間でした」
「熱心なのはいいけどな。あまり無理するなよ」
城ノ内副社長の優しい言葉に、彼女は嬉しそうに笑う。
多分まだ新人さんだし、若い女の子だし、副社長も手加減してるんだろうな。
その微笑みまで紳士的に見える。
ああ、この人ホントに罪だわ。
とはいえ。
彼女もうちの大事な一員だしね。
「ナナミちゃん、駅まで送ろうか?」
と、私が言うと、ナナミちゃんはチラリと城ノ内副社長を見た。
「あの、城ノ内さんはまだお仕事ですか?私、夕飯まだなんです。良ければご一緒に」
その目が、彼に送って貰いたいと訴えてる。
百戦錬磨の城ノ内副社長が、この視線に気付かないはずがない。
彼は苦笑して答えた。
「悪いな、俺はまだ仕事だ。雪姫に送って貰え」
ナナミちゃんは明らかにガッカリとした顔をしたけれど、私を見て首を横に振った。
「大丈夫です、タクシー使いますから。梶原さんは一日撮影でお疲れでしょう?」
「そんなことないよ。私はマネージャーなんだから気にすることないのよ」
うん、悪い子じゃないのよね。
だから余計、戸惑う。
「お疲れ様です」
彼女はきちんと私達に頭を下げて、ほのかに染まる頬で笑う。
うん、やっぱり可愛いな。
私まで思わず微笑んでしまう。
「随分遅くまでいたのね」
私の問いに、ナナミちゃんは控え目に頷いた。
「レッスン室で自主練してて……。気がついたらこんな時間でした」
「熱心なのはいいけどな。あまり無理するなよ」
城ノ内副社長の優しい言葉に、彼女は嬉しそうに笑う。
多分まだ新人さんだし、若い女の子だし、副社長も手加減してるんだろうな。
その微笑みまで紳士的に見える。
ああ、この人ホントに罪だわ。
とはいえ。
彼女もうちの大事な一員だしね。
「ナナミちゃん、駅まで送ろうか?」
と、私が言うと、ナナミちゃんはチラリと城ノ内副社長を見た。
「あの、城ノ内さんはまだお仕事ですか?私、夕飯まだなんです。良ければご一緒に」
その目が、彼に送って貰いたいと訴えてる。
百戦錬磨の城ノ内副社長が、この視線に気付かないはずがない。
彼は苦笑して答えた。
「悪いな、俺はまだ仕事だ。雪姫に送って貰え」
ナナミちゃんは明らかにガッカリとした顔をしたけれど、私を見て首を横に振った。
「大丈夫です、タクシー使いますから。梶原さんは一日撮影でお疲れでしょう?」
「そんなことないよ。私はマネージャーなんだから気にすることないのよ」
うん、悪い子じゃないのよね。
だから余計、戸惑う。