君の名を呼んで 2
***
『人気俳優、二ノ宮朔さん熱愛告白!お相手は女優、藤城すずさん』
***
『今回、私どもの番組の独占インタビューに応じて下さったのは、なぜですか?』
「今後の為に、誤った情報が伝えられるのを避けるためです。ちゃんと自分の口から皆さんに伝えなくてはと思ったので。こちらこそ、機会を下さってありがとうございます」
二ノ宮先輩は、王子様な微笑みで、自分に向けられた質問に答える。
『ではさっそく。噂の藤城さんとの交際についてですが』
「本当のことです。真剣にお付き合いさせて頂いています。すずさんは一生懸命で、女優であることに常に真摯に向き合っている。女性としても、女優としても彼女を守っていきたい。そう思っています」
『すずさんは?』
緊張気味のあたしは、カメラをまっすぐに見た。
「私は、二ノ宮さんを尊敬しています。彼は私の憧れで、目標です。それに恋愛感情がプラスされたのは、ごく自然な事だと思っています。これからも、彼と一緒に居たい。彼の隣に居る為に、私にできることを私らしく頑張るだけです」
あたしは柔らかな微笑みを向けて答える。
『ファンの皆様にはどんな言葉を伝えたいですか?』
「どうか温かく見守って頂きたいと。僕達はお互い支えあって、これからも役者として成長しあえる関係でいたい。更に魅力を増した“二ノ宮朔”と“藤城すず”を皆様に見て頂けるよう、頑張ります」
『ーーということですが、いやあ、今をときめく人気俳優の熱愛宣言には驚きましたね』
『今回の件については彼らの所属事務所も全面的に認めていまして。社長を始め、社員全員で応援したいとのコメントを戴いています。これだけ潔いと気持ち良いですね』
『若い二人を見守っていこうじゃありませんか、ねぇ』
『では次のニュースです……』
あたしはリモコンを取り上げて、プチッと電源を切った。
あたしと二ノ宮先輩の関係を暴露した番組の放映翌日。
ワイドショーはどれもこのネタでもちきりだった。
おどろくほど好意的な反応は、多分いくらか真野社長の手回しによるものだろうけど。
それでも少し、ホッとした。
『人気俳優、二ノ宮朔さん熱愛告白!お相手は女優、藤城すずさん』
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『今回、私どもの番組の独占インタビューに応じて下さったのは、なぜですか?』
「今後の為に、誤った情報が伝えられるのを避けるためです。ちゃんと自分の口から皆さんに伝えなくてはと思ったので。こちらこそ、機会を下さってありがとうございます」
二ノ宮先輩は、王子様な微笑みで、自分に向けられた質問に答える。
『ではさっそく。噂の藤城さんとの交際についてですが』
「本当のことです。真剣にお付き合いさせて頂いています。すずさんは一生懸命で、女優であることに常に真摯に向き合っている。女性としても、女優としても彼女を守っていきたい。そう思っています」
『すずさんは?』
緊張気味のあたしは、カメラをまっすぐに見た。
「私は、二ノ宮さんを尊敬しています。彼は私の憧れで、目標です。それに恋愛感情がプラスされたのは、ごく自然な事だと思っています。これからも、彼と一緒に居たい。彼の隣に居る為に、私にできることを私らしく頑張るだけです」
あたしは柔らかな微笑みを向けて答える。
『ファンの皆様にはどんな言葉を伝えたいですか?』
「どうか温かく見守って頂きたいと。僕達はお互い支えあって、これからも役者として成長しあえる関係でいたい。更に魅力を増した“二ノ宮朔”と“藤城すず”を皆様に見て頂けるよう、頑張ります」
『ーーということですが、いやあ、今をときめく人気俳優の熱愛宣言には驚きましたね』
『今回の件については彼らの所属事務所も全面的に認めていまして。社長を始め、社員全員で応援したいとのコメントを戴いています。これだけ潔いと気持ち良いですね』
『若い二人を見守っていこうじゃありませんか、ねぇ』
『では次のニュースです……』
あたしはリモコンを取り上げて、プチッと電源を切った。
あたしと二ノ宮先輩の関係を暴露した番組の放映翌日。
ワイドショーはどれもこのネタでもちきりだった。
おどろくほど好意的な反応は、多分いくらか真野社長の手回しによるものだろうけど。
それでも少し、ホッとした。