君の名を呼んで 2
「雪姫ちゃんが掛け合ってくれて、キスしてるフリだけになったんです。だからあの人とは、してないの」
そう。
ギリギリのギリギリまで、雪姫ちゃんはやっぱりあたしの味方だった。
「それに、前日にあんな熱烈なキスされたら、たとえホントにしてても全然何も感じなかったと思うけど?」
クスリと笑って囁けば。
「……っ」
二ノ宮先輩はあたしを抱き寄せた。
その顔が少しだけ赤いのは、気のせいじゃないよね?
「この、小悪魔。よく言う……」
二ノ宮先輩は呟いて、あたしにキスをする。
けれど二ノ宮先輩が、やられっぱなしのわけが無い。
「なら、プライベートでも、仕事でも、ファーストキスは俺だな」
酷く楽しそうに落とされた爆弾発言に、あたしは目を剥いた。
「はあ!?」
「知らなかった?次のドラマ、俺と共演。恋人役で、もちろんキスシーンあり」
「う、嘘ぉお!?やだ、やだ!恥ずかしい!絶対皆にニヤニヤされる!」
「楽しみだな?」
やだあああ、なんて。
あたしの絶叫なんて聞き届けてもらえるわけもなく。
かくしてあたしは、猫かぶりのイケメン実力派俳優、二ノ宮朔に落とされたのですーー。
fin.
そう。
ギリギリのギリギリまで、雪姫ちゃんはやっぱりあたしの味方だった。
「それに、前日にあんな熱烈なキスされたら、たとえホントにしてても全然何も感じなかったと思うけど?」
クスリと笑って囁けば。
「……っ」
二ノ宮先輩はあたしを抱き寄せた。
その顔が少しだけ赤いのは、気のせいじゃないよね?
「この、小悪魔。よく言う……」
二ノ宮先輩は呟いて、あたしにキスをする。
けれど二ノ宮先輩が、やられっぱなしのわけが無い。
「なら、プライベートでも、仕事でも、ファーストキスは俺だな」
酷く楽しそうに落とされた爆弾発言に、あたしは目を剥いた。
「はあ!?」
「知らなかった?次のドラマ、俺と共演。恋人役で、もちろんキスシーンあり」
「う、嘘ぉお!?やだ、やだ!恥ずかしい!絶対皆にニヤニヤされる!」
「楽しみだな?」
やだあああ、なんて。
あたしの絶叫なんて聞き届けてもらえるわけもなく。
かくしてあたしは、猫かぶりのイケメン実力派俳優、二ノ宮朔に落とされたのですーー。
fin.