君の名を呼んで 2
けど、私から「城ノ内副社長は私と結婚してます」なんて言うのもなんだか……ねぇ。
牽制してるみたいでなんだか嫌だし、守るべき相手に嫉妬なんて仕事に差し支える。
第一、ナナミちゃんの気持ちに気づいてますよって言ってるも同然だし、それって彼女は気分良くないよね。
うん、これは彼女と、城ノ内副社長の問題だ。
私が入っちゃいけない。
なんて考え込んでいた私は、城ノ内副社長に腕を掴まれたままだったことを忘れていて、それをナナミちゃんがジッと見ていたことに気付かなかった。
「じゃあ、お願いします。梶原さん」
彼女の言葉に頷いて、駐車場へと向かおうとした時、城ノ内副社長が私の腕を引いて囁いた。
「後で吐いてもらうからな」
……やっぱりですか。
***
車を走らせながら、ナナミちゃんととりとめもない話をする。
彼女のお家の話、学校の話、ハツミちゃんとカスミちゃんとの話。
普段から礼儀正しいけど、話題はやっぱり今時の女の子だ。
「梶原さん、おいくつなんですか?」
「えっと、23歳。再来週の土曜で、24になるの」
自分の誕生日が間近に迫ってることに気づいて、私は補足する。
皇の誕生日も来月だし、新婚旅行にも行っていない私達は、たまりにたまった有給休暇を使って二人で小旅行に行く事にしていた。
「へえ……彼氏とお祝いとか、するんですか?」
「え?ああ、うん、ええと……」
ナナミちゃんの言葉に、さっきの考えがぐらりと傾く。
牽制してるみたいでなんだか嫌だし、守るべき相手に嫉妬なんて仕事に差し支える。
第一、ナナミちゃんの気持ちに気づいてますよって言ってるも同然だし、それって彼女は気分良くないよね。
うん、これは彼女と、城ノ内副社長の問題だ。
私が入っちゃいけない。
なんて考え込んでいた私は、城ノ内副社長に腕を掴まれたままだったことを忘れていて、それをナナミちゃんがジッと見ていたことに気付かなかった。
「じゃあ、お願いします。梶原さん」
彼女の言葉に頷いて、駐車場へと向かおうとした時、城ノ内副社長が私の腕を引いて囁いた。
「後で吐いてもらうからな」
……やっぱりですか。
***
車を走らせながら、ナナミちゃんととりとめもない話をする。
彼女のお家の話、学校の話、ハツミちゃんとカスミちゃんとの話。
普段から礼儀正しいけど、話題はやっぱり今時の女の子だ。
「梶原さん、おいくつなんですか?」
「えっと、23歳。再来週の土曜で、24になるの」
自分の誕生日が間近に迫ってることに気づいて、私は補足する。
皇の誕生日も来月だし、新婚旅行にも行っていない私達は、たまりにたまった有給休暇を使って二人で小旅行に行く事にしていた。
「へえ……彼氏とお祝いとか、するんですか?」
「え?ああ、うん、ええと……」
ナナミちゃんの言葉に、さっきの考えがぐらりと傾く。