君の名を呼んで 2
モテる男は大変
次の日、会社で打ち合わせをしていた私とすずは、ちょうど同じく打ち合わせを終えた城ノ内副社長と朔を誘って、ランチに行くことになった。
「すず、少しは上手くなった?練習いつでも付き合うよ」
にっこりと微笑む、看板俳優。
セリフは優しい王子様なのに、朔の背後にやや黒いオーラが見えるのは私だけじゃないはず。
「け、結構でぇす」
ジリジリと私の背中に隠れるすず。
こらこら、あなた達、付き合ってるんでしょーが。
どうやら朔の台詞練習はかなりのスパルタのようで、ドSスイッチが入ると延々ラブシーンの実演まであるとか。
「恥ずかし過ぎるのよぉお!!」
ノロケそのものなのに、どうしてかすずが気の毒に見えてしまうわ。
新しく出来た社員食堂は、ちょっとおしゃれなフレンチレストランみたいな雰囲気で。
ついつい話が弾んでしまう。
「それより、城ノ内さんでしょ!」
ん?
首を傾げる私達の前で、
「だいたい、城ノ内副社長が指輪してないのが悪いのよ!」
と、すずがいきなり怒り出す。
ここに来るまでに、城ノ内副社長をランチに誘おうとする女性陣の多さに、さすがのすずもキレたらしい。
そう、皇は私には指輪をさせるけど、自分は結婚指輪をしていない。
「モテなくなるだろ」
「最低!!」
城ノ内副社長の答えに、すずが拳を握り締める。
けれど私も彼も苦笑い。
「馬鹿、俺がモテるのもBNPの営業ツールの一つなんだよ」
確かにね。
城ノ内副社長は彼流に言うなら、見た目も含めて全て『売り物』なんだ。
そしてそれを有効に使う方法を熟知している。
野生的な副社長と対照的な、真野社長の穏やかさも相手に安心感を与える要素の一つ。
そういう彼らをずっと見ているから、今更驚かないけど。
「すず、少しは上手くなった?練習いつでも付き合うよ」
にっこりと微笑む、看板俳優。
セリフは優しい王子様なのに、朔の背後にやや黒いオーラが見えるのは私だけじゃないはず。
「け、結構でぇす」
ジリジリと私の背中に隠れるすず。
こらこら、あなた達、付き合ってるんでしょーが。
どうやら朔の台詞練習はかなりのスパルタのようで、ドSスイッチが入ると延々ラブシーンの実演まであるとか。
「恥ずかし過ぎるのよぉお!!」
ノロケそのものなのに、どうしてかすずが気の毒に見えてしまうわ。
新しく出来た社員食堂は、ちょっとおしゃれなフレンチレストランみたいな雰囲気で。
ついつい話が弾んでしまう。
「それより、城ノ内さんでしょ!」
ん?
首を傾げる私達の前で、
「だいたい、城ノ内副社長が指輪してないのが悪いのよ!」
と、すずがいきなり怒り出す。
ここに来るまでに、城ノ内副社長をランチに誘おうとする女性陣の多さに、さすがのすずもキレたらしい。
そう、皇は私には指輪をさせるけど、自分は結婚指輪をしていない。
「モテなくなるだろ」
「最低!!」
城ノ内副社長の答えに、すずが拳を握り締める。
けれど私も彼も苦笑い。
「馬鹿、俺がモテるのもBNPの営業ツールの一つなんだよ」
確かにね。
城ノ内副社長は彼流に言うなら、見た目も含めて全て『売り物』なんだ。
そしてそれを有効に使う方法を熟知している。
野生的な副社長と対照的な、真野社長の穏やかさも相手に安心感を与える要素の一つ。
そういう彼らをずっと見ているから、今更驚かないけど。