君の名を呼んで 2
「そうですね。すずも今日は調子いいし、早く終わりそう」
私の言葉に舞華さんは撮影中のすずを見て、その隣の要を見た。
訳知り顔でニヤリと私に微笑みかけてくる。
「あの彼、梶原さんの初恋の彼なんですって?浮気するなら皇は私がもらっちゃうわよ」
「し、しませんよ!!」
油断も隙も無いんだから!
けれど彼女の本題はそこでは無かったらしい。
思い出したように眉を寄せて、私を見る。
「それよりあの小娘よ。あなたんとこの新人アイドルの」
舞華さんの口から出た人物にドキッとする。
彼女がこんな言い方をするってことは、皇に関係することだ。
それで新人アイドルですぐに思いつくのは。
「ナナミちゃん……?」
「それよ。何なのあの子。私がテレビ局で皇と話してたら、これ見よがしに敵意を向けられたけど」
敵意?ナナミちゃんが?
どちらかといえばおとなしそうで、そんなイメージがない彼女。
「そんな子じゃ……」
「馬鹿ね、油断してると足下掬われるわよ……って。ちょっと梶原さん、あなたなんて顔してるの」
ちょっとびっくりしたような、舞華さんの声音に私は慌てて顔を上げる。
ど、どんな顔してたんだろう。
舞華さんはちょっと呆れたように、けど笑って私に言った。
「まったく、あなたってばたまに凄いのに、普段は情けないんだから」
ううう、すみません。
話に夢中になっていた私は、まさかそれを要に見られていたなんて気づかず。
舞華さんの分かりづらい優しさに慰められていた。
私の言葉に舞華さんは撮影中のすずを見て、その隣の要を見た。
訳知り顔でニヤリと私に微笑みかけてくる。
「あの彼、梶原さんの初恋の彼なんですって?浮気するなら皇は私がもらっちゃうわよ」
「し、しませんよ!!」
油断も隙も無いんだから!
けれど彼女の本題はそこでは無かったらしい。
思い出したように眉を寄せて、私を見る。
「それよりあの小娘よ。あなたんとこの新人アイドルの」
舞華さんの口から出た人物にドキッとする。
彼女がこんな言い方をするってことは、皇に関係することだ。
それで新人アイドルですぐに思いつくのは。
「ナナミちゃん……?」
「それよ。何なのあの子。私がテレビ局で皇と話してたら、これ見よがしに敵意を向けられたけど」
敵意?ナナミちゃんが?
どちらかといえばおとなしそうで、そんなイメージがない彼女。
「そんな子じゃ……」
「馬鹿ね、油断してると足下掬われるわよ……って。ちょっと梶原さん、あなたなんて顔してるの」
ちょっとびっくりしたような、舞華さんの声音に私は慌てて顔を上げる。
ど、どんな顔してたんだろう。
舞華さんはちょっと呆れたように、けど笑って私に言った。
「まったく、あなたってばたまに凄いのに、普段は情けないんだから」
ううう、すみません。
話に夢中になっていた私は、まさかそれを要に見られていたなんて気づかず。
舞華さんの分かりづらい優しさに慰められていた。