君の名を呼んで 2
彼は微かに笑った。
「お、ナナミ。もうデビューだって?カスミもハツミも良かったな」
城ノ内副社長の言葉に、ナナミちゃんは頬を染めて頷く。
カスミちゃんとハツミちゃんははい、と返事をしながらナナミちゃんを小突いた。
「ナナミをスカウトしたの、城ノ内なんだよ」
真野社長が私に教えてくれる。
「そう、なんですか」
私は返事をしながらも、城ノ内副社長に満面の笑みを向けるナナミちゃんから目を離せなかった。
城ノ内副社長の目は確かだ。
でも彼自らスカウトすることなんてあまり無い。
だからなのかな。
ちょっと、ちょっとだけ、もやもやするのは。
頬を染めたナナミちゃんは明らかに城ノ内副社長に好意を持っていて、どうやら私達が結婚してる事は知らないみたい。
私は仕事の都合上、旧姓を名乗っているし、私と城ノ内副社長の事は公然の事実で、今更誰も話題に出したりしない。
ナナミちゃんたちは最近事務所に入ったし、知らなくても無理は無い。
……きっと、憧れ、だよね。
外身だけなら極上の城ノ内副社長。
彼女には自分を見つけ出してくれた王子様に見えるのかも。
彼女達からは結構年上だけど、それはマイナス要因ではないらしい。
でもほら、内面は鬼畜俺様、超ドSだし。
なんて思っていたら、当の城ノ内副社長が私を見た。
咄嗟に視線を逸らしてしまった瞬間、後悔。
「お、ナナミ。もうデビューだって?カスミもハツミも良かったな」
城ノ内副社長の言葉に、ナナミちゃんは頬を染めて頷く。
カスミちゃんとハツミちゃんははい、と返事をしながらナナミちゃんを小突いた。
「ナナミをスカウトしたの、城ノ内なんだよ」
真野社長が私に教えてくれる。
「そう、なんですか」
私は返事をしながらも、城ノ内副社長に満面の笑みを向けるナナミちゃんから目を離せなかった。
城ノ内副社長の目は確かだ。
でも彼自らスカウトすることなんてあまり無い。
だからなのかな。
ちょっと、ちょっとだけ、もやもやするのは。
頬を染めたナナミちゃんは明らかに城ノ内副社長に好意を持っていて、どうやら私達が結婚してる事は知らないみたい。
私は仕事の都合上、旧姓を名乗っているし、私と城ノ内副社長の事は公然の事実で、今更誰も話題に出したりしない。
ナナミちゃんたちは最近事務所に入ったし、知らなくても無理は無い。
……きっと、憧れ、だよね。
外身だけなら極上の城ノ内副社長。
彼女には自分を見つけ出してくれた王子様に見えるのかも。
彼女達からは結構年上だけど、それはマイナス要因ではないらしい。
でもほら、内面は鬼畜俺様、超ドSだし。
なんて思っていたら、当の城ノ内副社長が私を見た。
咄嗟に視線を逸らしてしまった瞬間、後悔。