君の名を呼んで 2
要と、私は黙ったまま、数秒。
やがて私は大きく息を吐いた。
「なんだ。ビックリした。ナナミちゃんはウチの大事なアイドルだもの。そりゃこんな時間なら送迎くらいするわよ。要、皇は大丈夫だってば」
私の言葉に、彼は眉を上げた。
「雪姫、無理してない?」
そりゃあね。
なんでこんな時間まで、とか。
後ろじゃなくて助手席なの?とか。
引っかかる部分はたくさんある。
でもね。
「それ以上に、皇は私を想ってくれてるの。だから、疑いはしない」
疑いは、しない……けど。
「ちょーっとばかしムカモヤッとするだけよ、私がぁっ!!」
うう、大人のオンナになりきれずにすみませぇえんっ!
「うう、ガキっぽくてすみません。海より深く反省するので、見なかったことにして頂けませんか、要さま」
「よしよし」
テーブルに突っ伏した私の頭を、要が撫でた。
その手がまた、私の頬に触れて。
摘ままれてなるものか!
私は顔を上げた。けれど予想を裏切って、要はただ口を開く。
「やっぱり雪姫に、彼は合ってないんじゃないのか」
「新婚さんに酷いこと言うのね」
兄のように面倒を見てくれていた要だからこその言葉だと思ったから、ただ苦笑いを返した。
「もう少し、早く再会してたら俺が貰ってやったのに」
要は強い眼差しで、私を見る。
「いやまだ、遅くないよな」
その瞳が、私を探るように動いて。
いい加減、私だって言われている意味に気付く。
けど、気づかないフリをしたい。
「えーと、要さん?酔ってる?それもしかして、アルコール?」
彼の飲んでいたカップを指して問えば、要は私の手を掴んだ。
思わぬチカラに、ビクリと背中がしなる。
皇、まだ外に居る……?
助けを求めて窓の外を見たけど、彼の車はもうそこには無かった。
私の困った顔に、要はふっと笑って「もう遅いから、帰ろうか」と言う。
「そ、そーね」
逃げられる、とホッと気を抜いたのがまずかった。
やがて私は大きく息を吐いた。
「なんだ。ビックリした。ナナミちゃんはウチの大事なアイドルだもの。そりゃこんな時間なら送迎くらいするわよ。要、皇は大丈夫だってば」
私の言葉に、彼は眉を上げた。
「雪姫、無理してない?」
そりゃあね。
なんでこんな時間まで、とか。
後ろじゃなくて助手席なの?とか。
引っかかる部分はたくさんある。
でもね。
「それ以上に、皇は私を想ってくれてるの。だから、疑いはしない」
疑いは、しない……けど。
「ちょーっとばかしムカモヤッとするだけよ、私がぁっ!!」
うう、大人のオンナになりきれずにすみませぇえんっ!
「うう、ガキっぽくてすみません。海より深く反省するので、見なかったことにして頂けませんか、要さま」
「よしよし」
テーブルに突っ伏した私の頭を、要が撫でた。
その手がまた、私の頬に触れて。
摘ままれてなるものか!
私は顔を上げた。けれど予想を裏切って、要はただ口を開く。
「やっぱり雪姫に、彼は合ってないんじゃないのか」
「新婚さんに酷いこと言うのね」
兄のように面倒を見てくれていた要だからこその言葉だと思ったから、ただ苦笑いを返した。
「もう少し、早く再会してたら俺が貰ってやったのに」
要は強い眼差しで、私を見る。
「いやまだ、遅くないよな」
その瞳が、私を探るように動いて。
いい加減、私だって言われている意味に気付く。
けど、気づかないフリをしたい。
「えーと、要さん?酔ってる?それもしかして、アルコール?」
彼の飲んでいたカップを指して問えば、要は私の手を掴んだ。
思わぬチカラに、ビクリと背中がしなる。
皇、まだ外に居る……?
助けを求めて窓の外を見たけど、彼の車はもうそこには無かった。
私の困った顔に、要はふっと笑って「もう遅いから、帰ろうか」と言う。
「そ、そーね」
逃げられる、とホッと気を抜いたのがまずかった。