君の名を呼んで 2
「ん、ん……」

深く強く、溶けていく熱に。
思わず皇のシャツをぎゅっと握りしめて応えたなら、皇は私の首筋に顔を埋めるように呟いた。


「……お前、エロいキスするよーになりやがって」

「はあ!?誰のせいですか!」

頬が熱くなるのを押さえながら反論したけれど、皇の唇がそのまま私の耳朶に触れていくのに、ぞくりとした。

「こ、う……」


息が上がる。

ズルい。
いつも、私は皇の思い通り。
ーーたまには、やり返したくもなる。

私は思いっきり、彼の唇を自分のそれでこじ開けた。
強く吸うように、舌を絡ませて。その首筋にもキスを降らせる。


「ゆっ……」

皇のかすれた声が、妙に色っぽくて

「は、ナマイキっ……」

強く力を込められた、その腕が。
その欲情した顔が、嬉しくて。
お互いを求めあって、触れ合っていく。


「好き、皇……」


いつもと違う、この特別な時間。
だからかな。


「俺も、だ」


あなたが、そんな言葉を口にしたのは。


けれど。



“ピリリリーーー”
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