君の名を呼んで 2
響き渡った着信音に、二人でビクリと身を震わせた。
鳴っているのは、皇の携帯電話だ。
「良いとこで……。電源切っとくの忘れてた」
皇が上着のポケットから携帯を出す。
その間も携帯は鳴り続けていて、そのディスプレイを見て、彼は顔をしかめた。
「どうしたんですか?」
私からも見えたその名前は。
ーー“ナナミ”
ナナミちゃん……?
「悪い、雪姫」
彼は私に断って、電話に出る。
「はい。……どうした?」
途端に皇が眉をひそめた。
「ナナミ?おい、ちょっと落ち着け」
漏れ聴こえるナナミちゃんの泣き声に私も驚いて皇を見上げる。
なにか、あったの?
彼女はひどく動揺している様子で、それを聞く皇もますます眉間にしわを寄せた。
「ちょっと待て。真野には話したか?……いや俺は」
ちらりと私を見て、言葉を途切れさせる彼に嫌な予感がした。
「一度、かけ直す。待ってろ」
電話を切って、皇は私に口を開いた。
「ナナミが家族と揉めたらしい。家出するとか何とか言ってる。真野は今日は地方に出張してるし、動けるヤツが居ねえ」
ああ、身の危険とかじゃなくて良かった、と思う反面、家出なんかしたらそれもわからない。
だから、皇の考えていることが予測できた。
緊張した心臓が、ギュッと音を立てて締め付けられる。
鳴っているのは、皇の携帯電話だ。
「良いとこで……。電源切っとくの忘れてた」
皇が上着のポケットから携帯を出す。
その間も携帯は鳴り続けていて、そのディスプレイを見て、彼は顔をしかめた。
「どうしたんですか?」
私からも見えたその名前は。
ーー“ナナミ”
ナナミちゃん……?
「悪い、雪姫」
彼は私に断って、電話に出る。
「はい。……どうした?」
途端に皇が眉をひそめた。
「ナナミ?おい、ちょっと落ち着け」
漏れ聴こえるナナミちゃんの泣き声に私も驚いて皇を見上げる。
なにか、あったの?
彼女はひどく動揺している様子で、それを聞く皇もますます眉間にしわを寄せた。
「ちょっと待て。真野には話したか?……いや俺は」
ちらりと私を見て、言葉を途切れさせる彼に嫌な予感がした。
「一度、かけ直す。待ってろ」
電話を切って、皇は私に口を開いた。
「ナナミが家族と揉めたらしい。家出するとか何とか言ってる。真野は今日は地方に出張してるし、動けるヤツが居ねえ」
ああ、身の危険とかじゃなくて良かった、と思う反面、家出なんかしたらそれもわからない。
だから、皇の考えていることが予測できた。
緊張した心臓が、ギュッと音を立てて締め付けられる。