君の名を呼んで 2
帝さんのニヤニヤに、朔の後ろから戻ってきた要が呆れ顔で突っ込んだ。
「監督、そういう趣味なんですか」
「ええ?だってホントに雪姫ちゃんのおにーさんなんだもん、みっくん。かわゆくない弟より、雪姫ちゃんの方がいい」
それを言うなら“お義兄さん”だ。
「監督ー!ラボがグレーディングいつにしますかって」
スタッフが後ろから声を掛けて、帝さんの返事も聞かず引っ張っていく。
問題監督の扱いも手慣れたものだわ。
帝さんはまだ何か文句を言いながらも、スタッフに引きずられていってしまった。
残された俳優陣と私は、苦笑いをしつつそれを見送って。
ふと要が私を見た。
その表情は、今までとは少し、違っていて。
「雪姫、ちょっと時間もらえるかな」
「うん、私も話したい」
あの後、ナナミちゃんに言われた言葉。
それを確かめなきゃ。
『私だけじゃないんです。城ノ内さんと梶原さんを引き裂こうとしたの。月島要が、私の共犯者なんです』
要。
あなたは今、何を考えてるの?
「監督、そういう趣味なんですか」
「ええ?だってホントに雪姫ちゃんのおにーさんなんだもん、みっくん。かわゆくない弟より、雪姫ちゃんの方がいい」
それを言うなら“お義兄さん”だ。
「監督ー!ラボがグレーディングいつにしますかって」
スタッフが後ろから声を掛けて、帝さんの返事も聞かず引っ張っていく。
問題監督の扱いも手慣れたものだわ。
帝さんはまだ何か文句を言いながらも、スタッフに引きずられていってしまった。
残された俳優陣と私は、苦笑いをしつつそれを見送って。
ふと要が私を見た。
その表情は、今までとは少し、違っていて。
「雪姫、ちょっと時間もらえるかな」
「うん、私も話したい」
あの後、ナナミちゃんに言われた言葉。
それを確かめなきゃ。
『私だけじゃないんです。城ノ内さんと梶原さんを引き裂こうとしたの。月島要が、私の共犯者なんです』
要。
あなたは今、何を考えてるの?