milky way【BL】
「シンヤさん! 珈琲豆切れてますよ!!」
「あー……忘れてた……」
「オレ、今から買ってきますよ。駅前の店ですよね?」
「ううん、そっちは六時でお仕舞いだから、コンビニの裏に行って」
気をつけてね、と声だけで送り出し、それからオーダー票を確認する。
珈琲豆のことなんて、すっかり忘れていたよ。一昨日、シズルくんに一袋あげてそのままだったんだ。アキくんには悪いことしたな……しかも、この忙しい時間帯に……。
シズルくんにあげて切らしたことは黙っておかないと。
冷蔵庫を開けた時、裏口の戸が開いた。
「アキくん? 忘れ物?」
扉の方に声を投げかけて、僕は調理の準備に取りかかる。
「アキくん?」
振り返りざまに彼を呼ぶと──