milky way【BL】
 
「ただいま戻りましたー……」


 丁度良く帰ってきたアキくんは、店に入るなり表情を凍らせた。


「なんでお前がいるんだっ!?」


 シズルくんの姿を捉えた瞬間、威嚇モードに入ってしまった様子。


「シンヤさんっ、さっきアイツは休みって……!」

「アキくん、珈琲はそこに置いてくれればいいから、ホールお客さんで一杯なんだよ」


 どうにかアキくんを厨房から出そうと、料理片手に僕は話しかける。

 嫌い嫌い、て云うなら近付かなければいいのに……。


「あら、珈琲切れちゃってたの?」

「あ……うん」

「悪いことしちゃったかしら?」


 なんてタイミングで言い出すんだ。それじゃあアキくんに秘密にしてる意味がないじゃないか。

 唯でさえ気が立っている所にお使いの事実が加わり、アキくんの表情がどんどん曇っていく。

 スープを掻き混ぜながら、顔だけをアキくんの方へと向けたシズルくんは、極上の笑顔で言い放った。
 
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