私のシンデレラストーリー❊✧.。.:*
上京してから特に頼れる人もいなくて、都会に馴染めなくて、あまり楽しいと思った記憶はない。
あの日だけは違った。
私の話を聞いてくれる人。
相づちを打ってくれる人。
楽しそうに笑ってくれる。
いつもは大人っぽくて完璧なのに、
笑うと一気に子どものような無邪気な笑顔になるところ。
人生において楽しかった出来事ベスト3にランクインするくらい。
『こんなことで大げさな』
なんて思うかもしれない。
少し息苦しい家庭で育った私にとっては、こんな些細なことでも楽しいと感じたんだから。
「わぁ………。きれいな満月。」
空を見上げると大きくて丸いお月さま。
ふと社長の笑顔が頭をよぎった。
この綺麗な月を見たら社長は笑うのかな。
綺麗なものをみたとき、ふと社長の顔が浮かぶのだ。
感動を共有したい。
一緒に見たい。
今まで一度も恋愛をしたことのない私にとって、この気持ちが何なのか分からなかった。