私のシンデレラストーリー❊✧.。.:*
幼い私には、息の詰まる肩書きだった。
『お嬢さまに相応しい行動をとりなさい』
根っからのお嬢さまの母からは、ずっとこう教育されていた。
子どもらしく公園で、泥だらけになって遊べない。
テーブルマナーや社交ダンス、乗馬………。
小さい頃から教養として身につけられた。
「なんで私は、こんな家に生まれたんだろう。なんで子供らしく外を駆けまわったりできないんだろう」
ずっと疑問だった。
“この家に相応しいように”
と私は私なりに頑張った。
やりたい事も我慢した。
言いたいことも言えなかった。
言葉を選んでは飲んでの繰り返し。
だけど私は、不器用で要領が悪い。
周囲の期待に答えられない。
社交ダンスはなかなか身につかなかった。
乗馬で馬から落ちて骨折もした。
いつしか親は『相応しいようにしなさい』とは言わなくなった。
きっと何をしても無駄だってことに気がついたのだろう。