私のシンデレラストーリー❊✧.。.:*
『あなたは、なぜここを希望しましたか?』
他の面接官が質問する。
「ええええ、えっっ、なんだっけ……」
ど忘れしたのか、あたふたする。
どんどん真っ青になっている。
必死に思い出そうとしている。
「あっ…!!」
思い出したのか、志望理由を話し始めた。
顔を真っ赤にしながら、話している。
ひと通り、面接が終わった。
「あ、ありがとうごごございました」
ロボットのようなぎこちない歩き方をして、席を立って出口へ向かった。
ドアを閉める際に、俺と目があった。
彼女は『ニコッ』と微笑みお辞儀をして去った。
俺は、分かる。
計算された下心のある笑顔じゃないこと。
まるで、大和撫子を思わせるような奥ゆかしさと上品さのある微笑みだった。