別に誰でもよかったわけじゃない
「優くんとぉ天瀬澪が付き合ってるて聞いたんだけどぉ、嘘だよねぇ?」
またリーダーっぽい人に話しかけられた。
勝手に名前で呼ばないで欲しい。
わざと作られたかん高い声と語尾が延びた話し方にいらっとする。
「関係ある?」
「えー?」
首をコテンとかしげるこいつ。
……早くどっか行かないかな。
「君にそんなこと関係あるかって言ってんの、わからない?」
僕が無表情でそう言うと、女子たちは少しビクッとして去っていった。
やっとどっか行った。