別に誰でもよかったわけじゃない
──ガンッ!
間一髪というところでなんとか避け、振り上げられたバッドは体育館の壁に当たった。
今スッゴい音したんだけど。
辺りに響くようなすごく大きな音がした。
これ私に当たったらかなりやばいんじゃない?
やばい。おなくなりかも、私。
「よけんなっ!よけずにあたれ!」
そう言ってガンッガンッと容赦なくバッドを振り上げる女子。
いやいや、回りの女子止めろよ。
「奈々ちゃん!バッドは危ないって!確実に怪我人が出るし……」
「うっさい!」
その女子、なな?って言った?
まあ、奈々ちゃんは止めた女子を突き飛ばした。
──ガンッ
「うっ!」
壁におもいっきり当たった止めた女子。
うわ。痛そう!