別に誰でもよかったわけじゃない
振り落ろされるバッドがスローモーションみたいに見える。
不思議。危ないときってほんとにスローにみえるんだね。
なんてことを考えながら、次に来るであろう衝撃に身をかまえ、目をつむる。
──ガンッ
頭の上でかなりの衝撃音がした。
でも、不思議と痛みはこなくて
「……?」
不思議と思って目を開けたら
「……俺の彼女にやめてくれないかな」
バットをつかんでいる優がいた。
「優!?」
なんで!?
「澪、怪我ない?大丈夫?」
私に心配そうに声をかける優。