別に誰でもよかったわけじゃない


「あ……優…くん……」


持っていたバッドを手から落とし、青い顔をしている奈々ちゃん。


ちょっ!震えてるよ!


「……加藤さん、どういうこと?」


聞こえたのは驚くほど冷たい声。


「えっと……優くん……」


優のこんなに冷たい声、はじめて聞いた。


「どういうことって聞いてるんだけど。」


無表情で奈々ちゃんを見ている優。


「…………」


奈々ちゃんは青い顔をしてなにもしゃべらない。
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