別に誰でもよかったわけじゃない


「嬉しい」


成海くんが言ったのは、私が想像していた言葉と全然違った。


「え?それって…?」


思わず聞き返してしまう。


私は、成海くんの次の言葉に全身全霊耳を傾けた。


次の言葉をすごく期待して。


「僕も好きだ。天瀬さんのこと」


その言葉を聞いた瞬間、私は聞き間違いじゃないかと疑った。


だって、


″好き″


なんて言葉、成海くんの口から聞けるとは思わなかったから。





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