お願い叶yell
第1章
01.君の願いは?
「ただいまー」
午後4時半頃。
学校から帰ってきて疲れきった体をそのままソファーに投げる。
「奏(カナデ)。今からお姉ちゃんとの打ち合わせあるから。」
私のお姉ちゃん、桜音(オト)は、先日、ピアノコンクールで日本一になったばかりだ。
だから、毎日のように取材がある。
もうなれたけど。
「あー。はいはい。」
どーせ、私はゴミ物扱いですよーだ。
私は聞いているような聞いていないような適当な返事をし、自分の部屋に向かった。