お願い叶yell




私はテレビを消し、ピアノに向かい、引き始める。




出だしはあってる。




あ、間違えた。始めて早々、音を外す。




あ、また。今度は左の入るタイミングが。





素人でピアノに詳しくはない人ではあまり気にならないミスを次々としてしまう。




曲がひき終わる。

と、タッタッタと階段を上る音がしたかと思うと、お姉ちゃんが勢いよく私の部屋のドアを開ける。




バンッ!




「あんたねぇピアノ、うっさいのよ!ちょこちょこミスして!」




気づいてたんだ。
私はピアノを向いたままお姉ちゃんの話を聞く。




「そんなの、お客様がいないときにだってひけるでしょう?」




私は黙っているつもりだった。




「そんな上手くもない下手くそなピアノ、一生私のいるときにひかないで!!」




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