螺旋愛
そして塾が終わり、帰り道に突然綾香がこんなことを言い出した。
「啓太ってさ・・・好きな人・・・とかいる?」
俺は迷いもなく笑顔で答えた。
「いないよ。」


俺は誰も好きになんかなれないよ。
みんな大切な幼馴染だもの・・・・。




その後綾香はとても落ち込んでいるように思えた。
俺は悲しんでほしくないんだ・・・・。
俺のことなんかで誰にも悲しんでほしくない・・・・。
都合のいいやつだって思われたっていい。
俺は誰も傷付けたくない。



「家まで送って行くよ。」
そう言ったらいつも綾香はすごく喜ぶからだ。
だけど今日は違った。

「あ、私寄るとこあるから・・・。」
綾香は早足で去っていった。





・・・・傷付けちゃったのかな・・・もう誰にも傷ついてほしくなんかないのに。


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