螺旋愛
「こんなとこで何してんの?」
そう聞いたけど本当は分かっていた。

瑠来の視線の先には、楽しそうに歩く綾香と啓太がいたから。
でも、俺はわざと気付かないフリをした。



「いや、なんでもないよっ!」
瑠来はそっけなくそう言うとさっさと歩き出した。



なんでもないわけねーじゃん・・・・




強がる瑠来の姿を見ていると苦しくなった。
気付いたら体が動いていた。




俺は手を握って、瑠来を引き止めていた。



何してんだ俺・・・っ!!


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