螺旋愛
こういうとき俺はいつも頭より先に体が動いてしまうんだ。

「何かあったら言えよ。」
「わ、わかってるよ。」
瑠来は俺の手を振り払うと走り去った。


俺は瑠来の姿が見えなくなるまで、ずっと瑠来を目で追いかけていた。
隣で美加が話しかけていることにも気付かずに。



「ねえ、駿ー?何見てんのー?ねえ駿ってばー!!」
そんな言葉ももう耳に入らなかった。



瑠来・・・・・
あいつのこと・・見てた。
きっと2人でいるとこ見て・・・傷ついた。





俺が瑠来のそばにいてやんなきゃ・・・・
守ってやんなきゃ・・・



そういつも以上に強く思った。

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