螺旋愛
「もしもし。」
「あ、駿!!やっと出てくれたっ!!もーう待ってたんだよっ!!」

彼女の声は電話の向こうからでも聞こえるくらい大きかった。


「あのね、あたしねっ!!!」
「別れよ。」
彼女の声を遮って駿が冷たく言い放った。


「え・・・?なんで?ねえっ!!なんでよっ!!?」
彼女は突然のことで理解できていないようだった。
それにも構わず駿は無愛想に言った。

「じゃあ、そういうことだから。」
「えっ!?待ってよっ!!あたし嫌なとこ治すからっ・・・ねえっ・・・。」


プツッ・・・・ツーツー・・・・・




駿は電話を切るとあたしを見た。
「これでいい?」
駿は挑戦的な目であたしを見上げた。

「なっ・・・なんでそんなに簡単に別れられるの・・!?」
あたしは何がなんだか理解できずにいた。
「そんな軽い気持ちでっ・・・!!」


あたしは途中で言葉をやめた。
駿があたしを冷たい目で見下ろしていたからだ。
その目は今まであたしが見たことないほど凍り付いていて、そして体中に寒気が走るほど恐ろしかった。


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