螺旋愛
辛くて辛くて、苦しいときはいつもそばに居てくれた。
それがもう1人の幼馴染の沢田 駿。

あたしが1番頼りにしてる、1番大切な友達。
いや、親友って言った方がいいのかもしれない。
あたしは友達が多くても信じれる人がいなかったから、いつも辛いときそばにいてくれた駿だけがあたしの信じられる人なんだ。


だけど、啓太が好きなことは駿にも話せなかった。
幼馴染なのに、好きになっちゃいけないって駿に言われそうな気がしたから。

幼馴染は幼馴染のままでいい。
友達としての思い出だけでいい。


そうやってあたしは駿に隠し続けていた。
それでも駿は何も聞かずにいつもそばにいてくれた。


あたしのたった1人の親友なんだ。



そんな駿は、女の子にモテモテで美人の彼女がいるし、幸せなんだと思う。
だからあたしに優しくしてくれるのかな・・・?




よくわからないけど、そんな駿をうらやましく思うこともよくあった。
だけどそのたびに駿は

「俺も結構辛いんだぞ。」
そう言って苦しそうに笑う。





そんな駿の笑顔を見るのが、あたしはなんだか嫌いだ。

あたしまで心の奥がぎゅーって苦しくなってしまうから。

< 6 / 87 >

この作品をシェア

pagetop