螺旋愛
また街に出てブラブラしていると1人の女に声をかけられた。
「ねえねえ。」
服の袖をくいくいと引っ張ってその女は言う。
「泊めてくんない?家なくてさ。」
その女は小さくて、それなのに目はくりくりしてて、髪は金髪、と派手な格好だった。


家がないって・・・どうせ家出かなんかだろ。



「いーけど。」
俺はまたいつもの気まぐれでOKした。
「でもあたしね、ちょっと用事あるから、夜の9時にまたここで待ち合わせでいい?」
「いーよ。」
女のしゃべり方はふにゃふにゃしていて、まるで歯が抜けたみたいだった。



名前も知らない女を泊めるなんてなー・・・また美加がうるせーんだろーな・・・めんどくせ。



そうして俺は女と別れを告げ、またうろうろしていると街中にある1人の姿を見つけた。



それは・・・・啓太だった。

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