螺旋愛
堕落

~綾香side~

私はあの日からうまく頭が回らない。

キスの感覚はとっくに忘れてしまった。
ファーストキスがこんなにあっけないものだったなんて。

それからなんだか啓太と目を合わせるのが怖くなって一度も話していなかった。


逆に駿と顔を合わせることの方が多くなってきた。
駿は会う度にキスを要求する。



相変わらず駿は何を考えているのかわからないが、それでもそんな時間にも少しずつ慣れてきた。





啓太にはもうメールを送ることも一緒に塾に行くこともなくなってしまった。


…啓太は私がいなくても平気なんだね…。


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