螺旋愛
外に出るともう辺りはだいぶ暗くなっていた。


駿は私の少し前を歩く。


黙ったまましばらく歩いていると、私達の少し前に瑠来が帰っているのが見えた。


すると、突然駿の歩みが遅くなった。
私がそれに気付かないはずもなかった。



「駿…?」
駿は私が声を掛けても聞こえていないかのようにずっと瑠来を見ている。



そっと顔を覗きこむと、いつものあの切ない、苦しい顔をしていた。



あの表情は…もしかして駿はずっと…瑠来のこと………。


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