2+0.5の片思い
重い足で理科室へ向かう、重い扉をあけて入ると担任の道木が居た

「先生早く準備しましょ」

面倒くさそうに言って先生を促す

「よし、じゃあ準備室にさっき用意した薄めた塩酸があるから各テーブルに運んどいてー、あ!いくら薄めてあっても塩酸だからなー!!気をつけろよー」

「はぁーい」

気を抜けた返事をして、薄い塩酸片手に理科室へ向かう

ビーカーの中で揺れる、薄い塩酸が気にしながら目を離さないようにゆっくり歩いて運ぶ。
10分休みの理科室なんて誰も来る筈ない。
そんなことを考えながら、揺れる塩酸を見ながら進む。

足下にも気を付けながら見てると、急に目の前に影が…え…
0.5秒位の速さで顔を上げる。

「あっ…!」

バシャ…

「うわ!!!ちょ!これなんの薬品?!」

見た事ない顔。でも靴の色を見る限る同学年だ。名札に3年4組の文字が見え、4組の人か… なんて冷静に考えてたら

「おい!!聞いてる?これなんの薬品だよ!?」

同学年の男子に塩酸をかけてしまったことに気付いた。

「え、あ…ごめん。これはえと…塩…酸?」

「げっ!塩酸!?wやばくね?あんま皮膚によくねーやつだろ?」

やばい。私は大変な事をしてしまった…

「あ、でも!あの…薄めた塩酸だから…w」

「あっ、まじかwってちげーよw塩酸じゃねーかw」

こんなに同学年の男子と話したのはいつぶりだろうか…
そんなことを考えてると道木が来た

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