好き






『落ち着いて。大丈夫。柚花ちゃん、
ゆーっくり息しようね。大丈夫だから。』





何も聞こえなくなっていた私の耳に
聞こえてきたのは
よく知っている声。




「ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハアッ──ゲホッ
かな──ハアハアたハアハアハアくんっ・・・?」






彼方「そうだよ。柚花ちゃん。大丈夫だよ。
ゆっくり、息しようね。
俺の呼吸に合わせて。吸って。吐いて。」






「ッ───ハアハアハアッゲホッ
ハアハアハアハアハアハアハアハアハアハア──スゥゲホッ
ハアハアハアゲホッハア──ゲホッ─ハアハア・・・ハアハア」





彼方「そう。上手上手。
ゆっくり、ゆーっくり。」






彼方くんの呼吸に合わせているうちに
私の呼吸はかなり落ち着いた。
疲れ果てて、体は限界だった。
閉じそうな目を必死に開けていたけど
彼方くんの「眠っていいよ」の声を聞いてすぐ
眠ってしまった。








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