好き
「ッツんッハァッ─ハァッハァッ」
彼方「そう。ゆっくりゆっくり。
上手だよ。」
彼方くんのおかげで
息ができるようになってきた。
「───ごめ、彼方くんっ ッハア」
彼方「大丈夫だよ。落ち着いてきたね。
いきなりびっくりしたよね。」
そう言って彼方くんは私を抱きしめて
頭を撫でてくれた。
彼方「もう大丈夫だからね。
怖かったね。」
彼方くんに頭を撫でられて
少し、安心した。
それと同時に
お兄ちゃんに叩かれた事が
頭に浮かんできて怖くなった。
私、どうして叩かれたの・・・
怖かった。すごく、怖かった。
涙が溢れてきて
前がぼやけてきた。
彼方「怖かったね。
鈴也ね、悪気があったわけ
じゃないんだよ。少し、カッとなった
みたい。それでも叩いちゃいけないね。
柚花ちゃん痛かったよね。」