好き
また椿が体調を崩した。
どうしても抜けられない仕事があるため
妹の柚花に椿の看病を頼んだ。
なのに─。
帰ってきてみると柚花は眠りについていた。
椿がこんなに荒い呼吸をして
苦しんでいるのに。
気がつくと俺は柚花に怒って
冷たい態度をとってしまった。
柚花が悲しそうな顔をしているのにも気がつかずに…
柚花を家に残し、
俺は椿を病院に連れていった。
この時、俺の頭の中は
椿のことしか考えていなかった。
柚花が苦しんでいるとも知らずに……