好き
──ガラガラッ
病室に入りまず目に入ったのは
酷い顔色をした柚花だった。
こんなになるまで
俺は気が付かなかったのか…?
なんて、なんてひどい兄なんだ。
最低だ。
しばらくすると柚花が
目を覚ました。
ごめん、ごめんな。
こんなになるまで気づかなくて、ごめんな。
大丈夫?と聞くと大丈夫、と答える。
大丈夫なわけがないのに。
どうして体調が悪いと言わなかったか聞くと
『関係ない』と言われてしまった。
関係ないわけないだろ…
俺は、柚花の兄なのに……!
「───パシンッ」
気がつけば俺は
柚花の頬を叩いていた。