好き
しばらくたった頃
彼方に呼び出された。
何があったか聞かれ、
わけを話すと
今までに見たことのない顔で
怒鳴られた。
柚花が椿と俺に遠慮して
体調不良を隠していることなんて
ずっと前からわかってた。
わかっていたのに、俺は
柚花のことを見ようともしなかった。
椿の方が体が弱いから。
椿のことしか考えていなかった。
本当に、最低な兄だ。
柚花に苦しい思いをさせた。
怖い思いをさせた。
兄失格だ。
俺が守るって決めたのに。
俺は、俺はこれから
どうしたらいい?
こんな最低な兄
もう、いらない。
俺の心は
絶望の色に染まってしまった。