心に悪夢を潜ませ

 「ルヒル?」

 ぐったりとしたルヒルは額に大量の汗をかき、荒く息をしていた。

 「どうして」

 「無理もない。あんな光景を見ればだれだって精神的にダメージを受ける。それに長時間も緊張状態だったんだ、容態が悪化しても無理はない。」

 「そんな…!どいてください!魔術を」

 「無駄だ、もう手遅れだ」

 「決めつけないでください!ルヒル、ルヒル助けるから!」

 『メディシン!』

 棚から杖を引っ張りだし唱えたが、いつもの光は現れなかった。

 「あれ?なんで?キュア!なんで…」

 突如襲う疲労感に膝から崩れ落ちた。

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