心に悪夢を潜ませ

 「長時間の緊張状態だったのはお前も同じと言うことだ。やすみなさい」

 「でも!」

 「疲れているのに魔法を使えば、お前も命を削ることになる」

 「だけどルヒルが!」

 「わしは医者だ!医者のわしが言っているんだ!お前は黙って言うことを聞いていなさい!」

 お医者様のすごい剣幕に圧倒され、言葉は出てこなかった。

 「ルヒルを、治せなくてわしだって辛い。医者として、ルヒルの容態がわからないわけなかろう。だがこれも運命、しかたのないことなんだ。せめて苦しまずに逝かせてやりたい。お前も早く大人になりなさい」

 
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