心に悪夢を潜ませ
「…襲撃を受けたのは昨日です。それをこんなに早く…来て頂けるものなんですか?」
「何が言いたいの?田舎者のくせに妙な勘ぐりやめてくれない?僕らは先日この近くの町で西の奴らが派手に暴れ回っていると報告を受けたから来たんだ」
茶色い髪を触りながらライヒェさんは苛立たしげに私を睨んだ。
「直しに、来てくださったのですか?王の命令で…」
王がわざわざそんな命令を出すだろうか?
今までどんなに生活が困窮しようと、作物が取れない時も、流行病で何人死のうが、王が村に人を寄越したことはない。