心に悪夢を潜ませ

 「…どういう意味ですか?」

 突然の質問、そして初めての魔法使いに杖を向けられるという状況に動揺し、生唾を飲んだ。

 相手は二人、それも戦いに慣れた感じの王に仕える魔法使い。

 私は小さな村の簡単な治癒魔法しか使えない下級魔法使い。

 勝ち目が無いのは明らかだった。

 「国は今戦いを前に敵味方をはっきりさせなければなりません。魔法使いとして聞きます。あなたは国の味方ですか?敵ですか?」

 戦いを前に?

 エカイユさんは杖こそ出さないがいつでも捕らえられると目で言われている気がした。

 「…意味がわかりません。私派ただの魔法使いです」

 
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