心に悪夢を潜ませ

 駆けつけたお医者様の後ろにライヒェさんとエカイユさんがいた。

 私は呼んでいないから、恐らく二人が呼んで来てくれたのだろうと何故か思った。

 お医者様は何もしなかった。

 診察をしても、今更何もできないと私も悟った。

 ルヒルは私の手を握り、かすれる声で言った。

 「姉、さん…だいすきだよ…ありが、とう、」

 それを最後に、ルヒルは動かなくなった。

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