心に悪夢を潜ませ
「姉さん…少し休もう?」
「ルヒル…あなたのためなのよ?ね?私沢山本を読んで魔術を沢山勉強したの。年々魔術のレベルも上がって治せる病気も増えた。だからルヒル!諦めない、諦めちゃダメよ!」
「止めないかシャンス!お前のためじゃない。ルヒルのために、だ」
怒鳴られお医者様は忌々しげに握りしめていた杖を見た。
「こんなもの…」
「あっやめ、やめて!」
床に投げ捨てられた杖は、踏まれ、半分に折れた。
折れた杖を前に、膝が折れる。
「…なぜ…邪魔をするんですか…?ルヒルを治せるのは私だけです。杖がなければ魔術は使えない、なぜ!」