重い想われ 降り振られ
「前にも言ったけど、香田さんって橘の回りにいる女の子達と違うでしょ。
良く言えば純粋だし、悪く言えば経験不足。
それに加え、橘は恋愛に間しては初心者みたいなものだし。
自分の気持ちばかりが中心で、相手の気持ちをちゃんと考えた事あるの?
それ以前に、ちゃんと香田さんに気持ちを伝えた?」

「そんなもんは、流れで分かるだろうが。」

遠藤は深く溜息をつく。

「流れで言うなら、橘は香田さんに嫌がらせしてるだけにしか見えないけど?」

遠藤に言われてはじめて気が付いた。

橘の今までの行動を考え直せば、気持ちは伝えてない上に勝手に付きまとい、
勝手にキレていただけだ。

「橘は小林が告白した事や、休日を一緒に過ごした事を知った時、
何も思わなかったワケ?知り合いってだけで、いきなり自宅に押し掛けたりする
女がいたら、橘はどう思う?」

ぐいっとビールを飲み、遠藤は続けた。

「相手の気持ちを考える上での基本は、自分が同じ事されてどう思うかって事。」
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