重い想われ 降り振られ
痛いほどの直射日光が、窓ガラスをすりぬけて室内に浸食する。

社内の温度を少しでも上げないよう、真理子はブラインドの羽を閉じた。

昼の休憩を取りに外から戻ってくる社員達のために、室温は低めにされている。

一度廊下に出れば、もわっとした重苦しい暑い空気が充満している。

室温の差はどの社員達にも容赦なく降りかかり、体力を削りとっていく。

けだるい体を引きずりながら、あまり食欲も湧かないのだが昼食を取りに行く。

屋上に出る扉を開ければ、生暖かいビル風が体を揺さぶった。

周りのビルのガラスに反射した光が眩しい。

手で光を遮り屋上に出ると、橘が待っていた。

「久しぶりだな。」

ずっと避けていて、遠目でしか見ていなかった橘の姿が
今は真理子の目の前にある。

穏やかな落ち着いている表情で、真理子を真っ直ぐ見ている。

「遅くなったが、いろいろ話を付けてきた。小林とも話をしてきた。」

橘がゆっくりと真理子に近づいてくる。

「俺は、お前を愛している。」
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